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Z世代の4割を占める「つかみどころのない若者」は何を考えているか


■ サマリー

Z世代の4割は、

・空気を読みすぎ、決めるの苦手

・男女平等、リベラルな価値観

・親と仲良し、身近な幸せが大切

 

■ つかみどころのない若者

最近の若い人たちは、なんだか無気力だし、何に興味があるのかわからない…。いったいどんなことを考えているんだろう。

 

そう感じることはないでしょうか。

 

そんなつかみどころのない若者は「Z世代」と称されています。

 

Z世代とは、1996年以降に生まれた若者のことです。「ポストミレニアル世代」や「さとり世代」と呼ばれることもあります。

 

しかし世間で言われていることは、ほんとうでしょうか?

 

私たちdotは、若者世代3000人へのアンケート調査を通して、最近の若者世代=Z世代の分析をしています。(以下、2018年に行ったZ世代レポートです。→https://www.join-the-dots.net/genz.html

 

「Z世代レポート」では、クラスター分析した結果、価値観の異なるタイプを以下の4つに整理しました。

様子見フォロワー 価値観のばらつきが⼤きい。自己主張せず、空気を読む

省エネペシミスト  ⼈づきあいが苦⼿で悲観的。真⾯⽬な性格のミニマリスト

ソーシャルよいこ SNS大好きでトレンドに敏感。他⼈の⽬を気にして悪目立ちを嫌う

人生ガチ勢 リーダー気質を持つ社交家で、伝統的価値観が強い。⼈⽣を楽しむ

 

レポート結果によると、16-21歳の男性の40%、女性の35%が無気力でつかみどころのない特徴を持っていることがわかりました。それが、「様子見フォロワー」です。

■顔色をうかがう若者

様子見フォロワーは、

・自己主張をあまりしない

・周りの空気を読む

・決断がおそい

 

…などの特徴があります。

 

Z世代である私たちは、「周りの空気を読むあまり決断がしにくい」そんな様子フォロワーの傾向を感じます。たとえば、一緒に食事に行ったときには、料理の注文が中々決まらないです。チームで会議をするとき、結論が出ずに、時間だけが進んでいくこともあります。

 

その背景にあるのは、ソーシャルメディアのつながりでしょう。朝起きてから夜寝るまで、つねに友人たちとつながっている私たちは、24時間フォロワーに対して気をくばりながら生きています。

「様子見フォロワー」の特徴は、SNSの習慣がリアルな空間に浮きでたもの、そう私たちは考察しています。

 

■ 価値観・ライフスタイル

様子見フォロワーの価値観・ライフスタイルのタイプ別比較では、「男女平等で、身近な幸せが大切」が最も多く、25.3%でした。価値観ランキングの1位は【家庭では男女の区別なく家事を分担した方が良い】で、男女平等でリベラルである点が一致しています。

地域別・職業別にみた場合、様子見フォロワーは全国的にもっとも多いです。

■メディア特性

スマートフォンの平均利用時間は、「5時間〜10時間未満」が他のタイプにくらべて、高いです。

パソコンの平均利用時間は、「10時間以上」がもっとも高いです。

リアルタイムのテレビ平均視聴時間は、「30分〜1時間未満」と「全く見ない」がもっとも高いです。

インターネットの動画配信平均視聴時間は、「1時間〜3時間未満」もっとも高いです。

■親と仲良しの様子見フォロワー

価値観ランキングのベスト3までを何故共感できるのか、どういった考えや体験が背景にあるのかを、dotに所属しているZ世代に聞きました。

 

1位【家庭では男女の区別なく家事を分担した方が良い】

・「自分の両親がが協力して家事をするのを見て育った。今は一人暮らしをする事で、家事の大変さが余計分かった。だから将来、結婚したら分担してやりたい。」(22歳 女性 Mさん)

・「僕は実家暮らしなので、今まであまり意識をした事はありません。」(21歳 男性 Kさん)

・「当然だと思う。親と離れて東京に暮らすと、家事は大変です。」(22歳 女性 Eさん)

 

2位【ショッピングは楽しいと思う】

・「買うものが特になくても、ウィンドウショッピングしてしまう。買う物があって行くよりも、ぶらぶら回って欲しい物が見つかる感じ」(22歳 女性 Mさん)

・「自己満足のために、よく買い物をします。出費は洋服や筋トレ用具が多い感じです。」(21歳 男性 Kさん)

・「暇なら行く良く感じ。ウィンドウショッピングそのものが楽しいです。」(22歳 女性 Eさん)

 

3位【親は精神的に頼りになると思う】

・「自分が困った事があったら、何でも話せる。自分の事を思って、アドバイスをくれる。」(22歳 女性 Mさん)

・「就活を意識する時期になったので、進路の話が多いです。同年代の友達より、人生経験が豊富な親の方が頼りになります。」(21歳 男性 Kさん)

・「喧嘩もたまにするけど、愛を感じるから。両親と対話をする事で、自分の頭の整理をしています。」(22歳 女性 Eさん)

 

■ まとめ

インタビューを通して分かったことは、様子見フォロワーは3位の【親は精神的に頼りになると思う】が最も良く当てはまったと本人達が感じることでした。インタビューした3人共、両親との会話を非常に重視している事が伝わりました。様子見は特徴がないように見えると書きましたが、実は家族や身近な人のことを一番大事に思っているZ世代なのかもしれません。

 

逆に、1位の【家庭では男女の区別なく家事を分担した方が良い】は当てはまると感じるものの、特に目立った意見はありませんでした。これは、様子見フォロワーだけでなくZ世代全体が常識として理解しているのでしょう。

 

様子見フォロワーの特徴は、

・空気を読みすぎ、決めるの苦手

・男女平等、リベラルな価値観

・親と仲良し、身近な幸せが大切

 

次回は、他のタイプについて解説します。

『Z世代会議』は、『Z世代レポート2018』(約3000名の日本の若者世代を対象に行った調査)を詳細に分析し、リアルなZ世代の声と合わせて、記事を発信しております。
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