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【Z世代=インスタ消費は嘘!?】インスタ消費をするZ世代は、全体の2割しかいない


■ サマリー

「Z世代=インスタ消費」

 

…とおもわれがちです。しかし、実際にインスタ消費をするZ世代は、ごく一部にすぎません。

 

私たちdotは、インスタ映えを意識する一部のZ世代を「ソーシャルよいこ」と名付けました。

 

ソーシャルよいこの特徴は、

・新しいトレンドにめちゃ敏感

・ショッピングはトキメキ☆

・私のキラキラをみてほしい

 

■ 竹下通りのタピオカ

社会人になって半年がたち、ぼくは原宿にあるオフィスで働き始めた。

 

その日の朝、ぼくはいつものように出勤して、原宿駅に出る。

竹下通りの入り口近くを通り過ぎるとき、なにかが靴にあたった。

 

カラン、コロンッ…

 

タピオカの容器だ。

 

まだ、中身が少し残っているじゃあないか…。

 

一体いつからだろうか…

 

原宿にタピオカの容器が散乱するようになったのは。

 

一体いつからだろうか…

 

SNSに投稿する写真のために、食べ物や飲み物を買うようになったのは。

 

■ 【Z世代=インスタ消費は嘘】

ここ1年間、タピオカは女子高生の間でブームになり、ひんぱんにInstagramで見かけるようになりました。

 

Instagram内で「#タピオカ」の投稿頻度は、1年で約5倍に上昇しています。

△出典:Instagram上の「#タピオカ」投稿数の推移(AIQ調べ)

 

タピオカのようなトレンドを、Instagramに投稿するZ世代はとても目立ちます。

 

そのため、Z世代はみんなインスタ消費をしているとおもわれがちです。

 

しかし、それはほんとうでしょうか?

 

私たちdotは、若者世代3000人へのアンケート調査を通して、最近の若者世代=Z世代の分析をしています。(2018年にZ世代を調査したレポートです。詳細は以下のリンクからご覧ください。→https://www.join-the-dots.net/genz.html

 

「Z世代レポート」では、クラスター分析した結果、価値観の異なるタイプを以下の4つに整理しました。

様子見フォロワー 価値観のばらつきが⼤きい。自己主張せず、空気を読む

省エネペシミスト  ⼈づきあいが苦⼿で悲観的。真⾯⽬な性格のミニマリスト

ソーシャルよいこ SNS大好きでトレンドに敏感。他⼈の⽬を気にして悪目立ちを嫌う

人生ガチ勢 リーダー気質を持つ社交家で、伝統的価値観が強い。⼈⽣を楽しむ

 

4タイプの中で、SNS大好きでインスタ消費をするタイプが「ソーシャルよいこ」です。

 

レポート結果によると、「ソーシャルよいこ」は16-21歳の男性の15%、女性の28%を占めることがわかりました。

 

すなわち、「ソーシャルよいこ」はZ世代全体で、たった2割しかいないのです。

 

■ 私のキラキラをみてほしい

「みんなが見たとき、“おっ?”って思わせたい。そんな映える物と一緒に、私がいるんだよということを伝えたいんです!」

 

青山学院大学心理学科に通う大学三年生の女性のことばです。

 

Z世代である私たちは、トレンドに敏感で映えるオシャレが大好きな「ソーシャルよいこ」の傾向を感じます。

 

ハロウィンパーティのようなイベントでは、友達とはしゃいでいる様子をスマホの動画で撮り、キラキラに加工して、ストーリーズに投稿します。

 

自分のキラキラした日常をみてほしい…それが、「ソーシャルよいこ」の特徴です。

 

■ 価値観・ライフスタイル

ソーシャルよいこの価値観ランキング1位は【自分が気に入れば有名ブランドの商品じゃなくても良い】です。

 

価値観・ライフスタイルのタイプ別比較では、「トレンドに敏感」がもっとも高く、66.5%です。

地域別にみた場合は首都圏と東北地方に、職業別にみた場合は学生にもっとも多くみられます。

■メディア特性

スマートフォンの平均利用時間は、「15時間以上」「10時間以上15時間未満」「5時間以上10時間未満」がもっとも高くみられます。一方、「1時間未満」はもっとも低くみられます。

パソコンの平均利用時間は、他のタイプのスマートフォンの平均利用時期と比較すると大きな差はみられませんでした。

リアルタイムのテレビ平均視聴時間は、「3時間以上5時間未満」がもっとも高くみられました。

インターネットの動画配信平均視聴時間は、ソーシャルよいこがもっとも高く、4割以上が1日1時間以上視聴していることがわかりました。

■ インスタ映えを意識する「ソーシャルよいこ」

価値観ランキングのベスト3までを何故共感できるのか、どういった考えや体験が背景にあるのかを、dotに所属しているZ世代に聞きました。

 

1位【自分が気に入れば有名ブランドの商品じゃなくても良い】

・「有名ブランドにこだわりはなく、自分の好きなデザイン可愛いと思うものを使いたい。」(21歳 女性 Sさん)

・「どんな服でも着こなし方で変わるだろうし気に入ったものを買いたい!」(21歳 女性 Gさん)

・「例えば、有名ブランドじゃなくても一点ものとかだと心が高まります。ブランドじゃなくても可愛ければときめくし、とにかく自分の心のときめきが大事です。自分が好きと感じたことに愛着を感じます!」(21歳 女性 Eさん)

 

2位【ショッピングは楽しい】

・「ウィンドーショッピングでも流行を追えたりプレゼント候補を考えたりできて勉強になる。」(21歳 女性 Sさん)

・「ショッピングは楽しい! 特に雑貨とか色んな見たことないものがあると買うつもりなくても、買ってしまう!」(21歳 女性 Gさん)

・「可愛いものに出会うと心がときめいて楽しい気持ちになります。ショッピングはトキメキ☆に出会う作業なので大好きです!」(21歳 女性 Eさん)

 

3位【家庭では男女の区別なく家事・育児を分担した方が良い】

・「家事はお互いの仕事や趣味との兼ね合いで相談だと思う。自分の親がどうなのかが影響しているという話があった。私の家は母が専業主婦のため女性が家事をするものだと思っている。」(21歳 女性 Sさん)

・「男女の区別は正直古いと考えるから。彼氏に夕飯を作った時や作ってもらう時、作ったあとの後片付けは用意をしなかった方がやるというのが普通になってきて、とても良い気分になった。」(21歳 女性 Gさん)

・「女性も働く時代なので助け合うのは当然だと思います。」(21歳 女性 Eさん)

 

■ まとめ

最後に、「Z世代=インスタ消費」でしょうか?

 

「ソーシャルよいこ=インスタ消費」といえます。

 

ソーシャルよいこはZ世代全体で、たった2割しかいません。

 

タピオカのようなトレンドを、Instagramに投稿するZ世代はとても目立ちます。そのため、このような誤解がひろまったのかもしれません。

 

ソーシャルよいこの特徴は、

・新しいトレンドにめちゃ敏感

・ショッピングはトキメキ☆

・私のキラキラをみてほしい

『Z世代会議』は、『Z世代レポート2018』(約3000名の日本の若者世代を対象に行った調査)を詳細に分析し、リアルなZ世代の声と合わせて、記事を発信しております。
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