【オンライングラレコ】楽しさと価値を感じて。 “オンライングラフィックレコーディング”がスタート
innovation team dot(以下 dot)が行っている“グラフィックレコーディング”(以下グラレコ)というサービス。リアルの会議やイベントをイラストでまとめ理解を深める手法です。
しかしリアルのイベントや会議が困難になった現在、dotのグラレコも変化し、オンラインでのサービスを開始したとのこと。
オンライングラレコとはどんなものなのか?どのように行い、リアルと同じような効果は期待できるのか?今回もinnovation team dotのグラレコ担当し活躍している、池田萌絵(以下:もえ)さん、前田真由美(以下:まゆみ)さん、のお二人にお話を伺いました。
■オンラインだから近くに “オンライングラレコ”というサービス
“オンライングラレコ”について、二人はこう説明してくれました。
もえ:私たちがふだんさせて頂いている、会議やイベントをイラストにする“グラレコ”をオンラインツールmiroを用いて行うサービスですね。文字通り、オンライン版グラレコって感じです(笑)
まゆみ:最初はZOOMのホワイトボードを使っていたのですが、会話が途切れてしまったり、そもそも機能的にリアルタイムでイラストを描くのに適していなかったりと問題があって、現在はmiroというオンラインホワイトボードツール使うようになりました。miroを使うとチームで活動もできるので、私たちの強みが最大限に活かせるかな、と。
(miro内を使ったグラレコの様子)
オンラインで行うだけでなく、オンラインツールを用いてデジタルで作成する。それが新しサービス“オンライングラレコ”だとのこと。いままで行ったことのない活動方法でしたが、意外にもすぐに慣れ、やがて様々なメリットに気づいていきます。いままで踏み入れたことのなかった分野は未開だったために、これまで以上の可能性を、内包していたのです。
もえ:今までオンラインでやったことはなかったのですが、やってみるとリアルでのグラレコと同じか、それ以上のメリットがたくさんあって。
デジタルツールなので、イラストの修正や色変えがすごくスムーズなんですよね。まとめやすいというか、グラレコ自体の精度が上がっているように感じています。あとは顔が並んでしまうZOOMはどうしても威圧感を感じてしまうのですが、miroに描かれたグラレコが視界に入ることで、緊張が解け意見を言いやすくなるのでは? と思っていて。議論活性化の効果も、リアルのグラレコより期待できるのではないでしょうか?
それと保存もデータなので、いつでも見返せるというのも大きなメリットだと思いました。リアルの場だと、写真やスキャンでデータに変換するので、不自然な影が出てしまったり色味が変わってしまったりするんです……。
じっさいのオンライングラレコでは予想以上の反響がもらえたそう。
もえ:先日、描かせていただいたイベントでは「会議のボードとグラレコのボードが一緒なので、リアルでお願いした時よりも一体感を感じられた」という感想をいただきました。作業する私たちとしてもイラストの行程を見て頂けますし、私たち自身も内容に参加できている気分がしているので、ネットのおかげで距離感が近くなっているのかもしれません。距離が近くなればその分、私たち特有の楽しさも伝わると思うので、miroはすごく私たちにハマったツールなんです。
まゆみ:はじめて使ったときの感想、「なんだこの、とんでもないツールは!?」だったもんね(笑)
■新しいことに挑戦し“楽しむ” Z世代特有のモチベーション
グラレコチームにとってもはじめてだったという、オンラインでの活動。活動の発足には、コロナウイルスによる影響が大きくなる状況で、「どう自分たちの楽しみを失くさないで行えるか?」という想いがありました。
もえ:4月に入ってからdotの定例会が全部ZOOMになり、それらをまとめてみたのがスタートでした。
コロナウイルスが流行した当初は「まぁ大丈夫でしょ」と軽く考えていたのですが、状況は悪くなるばかりで……。案件がいくつもなくなってしまいました。
まゆみ:私たちにとってグラレコは、“お仕事”でもあると同時に“楽しみ”でもあり、すごく残念だったんです。
もえ:それでまずは定例会で試してみたんです。そしたら先ほどお話したように、いい意味で「これはとんでもないぞ…」って(笑)dotアドバイザーの斉藤さんの後押しもあり、サービスとして運用することになりました。
幸いチームに、オンライングラレコを反対するメンバーもいなくて。おそらく、私たちはZ世代なので、新しい何かを試すことに躊躇がないんですよね。「新しいのあるの? やってみよう」みたいな。
(新しいことに挑戦するのがZ世代であり、dotの特徴でもあります。緊急事態宣言下は定例会もオンラインで開催。毎週、平均40人が参加した)
新しいことを恐れず、対応する。Z世代が集まって活動しているからこその、色濃く現れたれたスタンスなのでしょう。
もえ:ちょうどそのころ、今までもお世話になっていた会社さんから「オンラインでグラレコをお願いしたい」っていうお話が来て。グラレコはやらないと上手くいならないので、すぐにお受けしました。開始して間もないのですが、すでに5つほどのイベントや会議で、サービスを利用していただいています。
Z世代の挑戦心、そしてグラレコチームの“楽しむ”は、これまでの活動でしっかりと相手企業さんなどに伝わっていたようです。
■ オンライングラレコならではの“楽しさ”
コロナウイルスの影響も続き、今後はオンライン分野の発展も容易に予想できます。彼女たちはそれらの状況を理解しながら、やはり“楽しむ“ことを忘れません。
まゆみ:やってみることでオンラインならではの“楽しみ”を発見できたので、どんどん続けていきたいです!もしコロナウイルスの影響が収まっても、オンラインツールは使い続けると思うので。
もえ:私たちチームが、オンライングラレコに“楽しさ”という価値を感じているのが、すごくいい点だと思っていて。“楽しむ”ためにも、これからたくさん仕事をお受けして、サービスとしても質を高めていけたらな、と考えています。
制限されてしまった状況でも”楽しむ”を追求し、生み出された“オンライングラレコ”というサービス。
数年前、ただただ“楽しい”という気持ちからスタートしたグラレコは、とうとう現実だけでなくデジタルにも進出し、どこにいても描くことを楽しめ、空気をカラフルに彩る、誇らしいサービスへと成長を遂げました。「何かを生み出すには、まず自分自身が楽しく思うことが大切」そんな姿勢を教わった気がします。
今後発展していくであろうオンライン会議・イベント。もしそれらを退屈に感じてしまったら、彼女たちに連絡してみてはいかがでしょうか??彼女たちならばきっと、退屈に感じていたものも、楽しく描き出してくれるはずです。
(取材・文 タカハシコウキ) (この取材はZOOMを用いて、オンラインで行われたものです。)